はじめに
NTTデータは、国内最大手のSIer(システムインテグレーター)であり、日本を代表する情報技術(IT)サービス企業として、多くの企業や政府機関に幅広いITソリューションを提供しています。
本記事では、実際にNTTデータの面接を受け内定まで獲得した体験をもとに、エントリーシート(ES)や面接で活用できるNTTデータの強みと弱みを解説します。
NTTデータを志望する際の参考にしていただければと思います。
NTTデータの会社概要
設立 | 1988年5月23日 |
本社所在地 | 東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービル |
代表者 | 代表取締役社長 佐々木 裕 |
資本金 | 142,520百万円(2024年3月31日現在) |
売上高 | 約4兆3673億円(2024年) |
従業員数 | 約193,500人(グループ全体) |
平均年収 | 906万円(平均年齢39.9歳) |
平均残業時間 | 月間約35時間(2024年), 21.3時間(2023年) |
事業内容 | 主にシステム開発上流~保守運用までを一貫して担う。 【官公庁・自治体・教育】 税務、交通、雇用などの社会基盤を支える情報システムの開発と運用 【医療・ヘルスケア】 健康管理システムや地域医療連携ネットワークの構築 【金融業界】 銀行、保険、証券などの金融機関向けにシステムを提供し、業務効率化を支援 【クレジット・決済】 キャッシュレス社会の実現に向けた決済システムの開発 【通信・放送】 通信インフラや顧客管理システムの構築 【製造・物流】 生産から物流までの業務プロセスの効率化を図るソリューション 【流通・サービス】 流通業界向けの先進的なソリューション提供 |
NTTデータの強みとは
さて、ここまでNTTデータの概要について紹介しました。
ここからは、そんなNTTデータの強みと弱みについて就活で使えそうな特徴を紹介していきます。
NTTデータの強み①
国内最大手専業SIerとしての実績と信頼性
NTTデータは、日本国内における最大手のSIerとして知られています。
官公庁や金融機関、法人向けに数多くの大規模かつミッションクリティカルなシステムを開発しており、その実績は信頼性の高さを物語っています。
特に金融・公共分野では強固な収益基盤として、国内において圧倒的なシェアを獲得しています。
金融分野では各金融機関を繋ぐ役目としてNTTデータが担っている(統合ATM、CAFISなど)。
公共分野では官公庁、地方自治体、インフラ、医療、貿易等全てでNTTデータでしか関わることのできないシステムが存在する。
日本の社会インフラを支える企業として、圧倒的な存在感を誇っています。
NTTデータの強み②
成長性~積極的なグローバル展開~
NTTデータは、世界市場での競争力を高めるために積極的なグローバル展開を行っています。
2024年3月期には、前年比25.1%増の売上高4兆3673億円を達成しました。
特に海外のIT企業との提携や買収により、グローバルなサービス提供能力を強化しています。
NTTデータの強み③
幅広い技術力と先進性
NTTデータは、量子アニーリング、デジタルツイン、メタバース、Large Language Model、衛星画像解析、ブロックチェーンなどの先進技術の研究開発に力を入れています。
グローバルにイノベーションセンターを設置し、最先端の取り組みを続けています。
さらに、トヨタと業務資本連携を行っている「WovonCity」のようなスマートシティを主導できるSIerとして大きな存在感がある。
スマートシティを都市ごとイチから作る仕事はNTTデータ以外にそうそうない。
NTTデータの強み④
長年の蓄積したノウハウ
NTTデータは、長年の経験から培った豊富なノウハウを持っています。
「顧客理解と高度な技術力によってシステムをつくる力」と「様々なシステムやインフラを支え、人と企業・社会をつなぐ力」が特徴です。
多岐にわたる事業領域での実績により、社員同士での情報共有やサポートがスムーズに行われています。
NTTデータの強み⑤
ハードウェアに依存しない柔軟性
NTTデータは、特定のハードウェアに依存しない唯一の超大手SIer×マルチベンダーである。
日本の大手SIer企業5社(富士通、NEC、日立製作所、日本IBM、NTTデータ)の中で自社でハードウェアを持たないのはNTTデータだけである。
これにより、競合他社が自社製品に縛られる中、マルチクラウド環境を活用し、最新のクラウドサービスを柔軟に利用することができます。
ベンダーロックインを回避し、最適なソリューションを提供することが可能です。
NTTデータの強み⑥
日本一のIT人材育成体制と幅広いキャリア開発
NTTデータは、社員のキャリア開発を支援するための充実した体制を持っています。
NTTデータユニバーシティという専門のグループ企業を持ち、eラーニングを含む多様な研修を提供しています。
また、キャリア面談を実施しており、社員は自身のキャリア目標を明確にし、上司からのフィードバックを受けることができます。
これにより、スペシャリストとしての技術者やマネジメント職への道など、多様なキャリア形成が可能です。
NTTデータの弱みとは
NTTデータの弱み①
海外事業での収益性の低さ
NTTデータは海外事業において売上高を拡大していますが、収益性には課題があります。
売上全体の営業利益率7.4%程に対して、国内だけの営業利益率は10%、海外では3、4%程となっている(2023年)。
2022年度には、北米分野で162億円の赤字、EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)および中南米分野で61億円の赤字を計上しています。
これらの赤字は、海外市場での競争力を高めるための投資が収益に結びついていないことを示しています。海外市場での成功を収めるためには、さらなる戦略の見直しと実行が必要です。
NTTデータの弱み②
コンサルティング領域でのプレゼンスの弱さ
NTTデータはコンサルティング領域において、アクセンチュアやDeloitteといったグローバル企業と比較すると、その存在感が低いのが現状です。
特に、企業のデジタル変革を支援するコンサルティングサービスにおいて、強力な競争相手に対して優位性を確保するのは容易ではありません。
NTTデータは、コンサルティング領域でのプレゼンスを強化するために、専門知識の充実やサービスの差別化が求められています。
NTTデータの弱み③
大規模プロジェクトにおける決断の遅さ
NTTデータは大規模プロジェクトにおいて、決断の遅さが指摘されています。
特に、複雑なプロジェクトや新規事業の立ち上げにおいて、迅速な意思決定が求められる場面での対応が遅れることがあります。
これにより、競争環境の変化や市場のニーズに迅速に対応できないことがあり、ビジネスチャンスを逃すリスクが生じます。迅速な意思決定プロセスの構築が急務です。
まとめ
NTTデータの強みと弱みを理解することで、エントリーシートや面接で自分自身のアピールポイントや改善点を明確に伝えることができます。NTTデータの強みを活かして、自分がどのように貢献できるかを具体的に示しつつ、弱みに対してはどのように対処していくかのアイデアを持っておくことが重要です。これにより、面接官に対して自身の理解度と意欲をアピールすることができるでしょう。
さっそく、NTTデータの強みと弱みを踏まえて、自己PRや志望動機をブラッシュアップしていきましょう。
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